子供の頃から大の犬好きで仲間たちと「犬部」を創設。獣医師となってもその信念は変わらない
花井颯太役
1990年12月6日生まれ。滋賀県出身。2007年、映画『バッテリー』(滝田洋二郎監督作)で俳優デビュー。第31回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか、多数の新人賞に輝く。『DIVE!!』(08/熊澤尚人監督作)、『ラブファイト』(08/成島出監督作)、『風が強く吹いている』(09/大森寿美男監督作)、『パレード』(10/行定勲監督作)などを経て、ドラマ&映画『荒川 アンダー ザ ブリッジ』(11~12)に主演。その後も順調に出演数を重ね、『しゃぼん玉』(17/東伸児監督作)、『チェリーボーイズ』(18/西海謙一郎監督作)といった主演作品でも新たな魅力を披露。今後の待機作に映画『護られなかった者たちへ』(21/瀬々敬久監督作)、『恋する寄生虫』(21/柿本ケンサク監督作)などがある。
颯太の相棒。颯太とは自宅でも動物病院でもいつでも一緒
犬・花子役
2010年7月生まれのミックス。仔犬の時に土に埋められているところを保護された経験を持つ。トータルハウジングのCM「吾輩は犬である」篇(15~)をはじめ、テレビドラマ「アキラとあきら」(17)、「監察医 朝顔」(19)、映画『さくら』(20 /矢崎仁司監督作)などに出演している。
颯太の同級生。不幸な動物を少しでも減らすため動物愛護センターの道を決意する
柴崎涼介役
1998年6月14日生まれ。東京都出身。2008年にデビューし、2010年の『半次郎』(五十嵐匠監督作)で映画初出演を飾る。2011年のドラマ「家政婦のミタ」で注目を集め、「GTO」(12)、「監獄学園-プリズンスクール-」(15)を経たのち、人気漫画を実写映画化した『坂道のアポロン』(18/三木孝浩監督作)、佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、高杉真宙、横浜流星と共に主演した『虹色デイズ』(18/飯塚健監督作)が公開される。「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」(18)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)、「G線上のあなたと私」(19)などテレビドラマでも活躍。近作は、『砕け散るところを見せてあげる』(21/SABU監督作)、『FUNNY BUNNY』(21/飯塚健監督作)、2022年開始予定のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の出演も決まっている。
僕自身も犬を飼っていますが、獣医学や保健所の歴史、保護犬や保護猫の事情については知らない部分も多く、この作品に関わらせていただいたことで、多くを学びました。動物たちとの共演も、すごく刺激を受けましたね。
動物たちって、嘘をつかないから上辺で演技をするとすぐバレちゃうんです。だからこそ、撮影以外の時間も一緒に過ごすことを大事にしました。その日の撮影が終わった後も林遣都さんと犬たちの宿泊所にお邪魔して、一緒に散歩したりお世話したり、まさに犬部のような生活を体験して、絆を深めていきましたね。そして、林遣都さんとはここまで共演者の方と密に話し合ったことはないというくらい、台本について意見交換をしました。映画で描かれない部分をどれだけ演者が埋められるか、新しい挑戦ですごく面白かったですね。
『犬部!』は、命と向き合うことを改めて考えさせられる作品です。この映画をきっかけに、不幸な想いをする動物たちが少しでも減ったら嬉しいです。
柴崎の相棒。颯太と共に、動物愛護センターから引き取った保護犬
犬・太郎役
2014年生まれの柴犬。おっとり優しいオスで、これまでにセブンイレブン、ニチレイ、第一三共ヘルスケアなど数多くのCMに出演。テレビドラマ「柴公園」(19)、映画『柴公園』(19 /綾部真弥監督作)など映画やドラマにも多数出演。
大の猫好きで「犬部」の猫担当。大学の研究員として生き物と関わる道を選ぶ
佐備川よしみ役
1996年1月10日生まれ。東京都出身。映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(13/小泉徳宏監督作)のオーディションで約5,000人の中から選ばれ、俳優&歌手デビューを果たす。2014年には、第56回日本レコード大賞・新人賞を受賞。以降も精力的に俳優活動と音楽活動を並行して行い、映画『舞妓はレディ』(14/周防正行監督作)、ドラマ「恋仲」(15)ほか、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(17/河合勇人監督作)、『あの日のオルガン』(19/平松恵美子監督作)、「あのコの夢を見たんです。」(20)などに出演する。
原案を読ませていただき、参加する前から、早くもやり甲斐を感じるほど、メッセージ性のある作品だなと思いました。
大好きな動物を題材にした映画ということで、可愛い動物たちと撮影するのは、素直にワクワクしていました。
私が演じたのは犬部の中でも猫担当。大学時代のよしみはとても元気で活発に見える反面、客観的に物事を考える女の子です。行動力があったり、思い切りの良い性格は、実際のわたし以上に男前だなぁと感じていました。
撮影は終始癒されていました。と言いたいところですが、大変なこともたくさんありました。子猫ちゃんを抱いた時は、腕の中で暴れたり、服に爪を引っかけたり…猫ちゃんは犬達よりも自由行動をする印象がありました。たくさんコミュニケーションをとって、仲良くなる努力をしました。
この映画に携わり、動物への向き合い方、考え方が変わりました。今も尚、殺処分されている動物がいます。私たちにできることは何だろうか。動物の幸せはなんだろうか。この映画を見て、今一度、私たちに幸福な時間と思い出をくれる犬や猫の未来を考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
大学で安室教授の助手を務める。実験犬を逃してしまったことで「犬部」メンバーと出会い、ともに活動する
秋田智彦役
1992年8月24日生まれ。神奈川県出身。2011年「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011」で連続ドラマに初出演。以降もNHK連続テレビ小説「マッサン」(15)、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(17)、「あなたの番です」(19)と出演作を重ねる。高い演技力を活かし幅広く活躍し、近作に映画『南瓜とマヨネーズ』(17/冨永昌敬監督作)、『チア男子!!』(19/風間太樹監督作)、『見えない目撃者』(19/森淳一監督作)、『劇場』(20/行定勲監督作)、『滑走路』(20/大庭功睦監督作)など。
大好きな動物に関する作品に携われる事への嬉しさと同時に、動物愛護の道のりと現実をしっかりと世へお届けする責任を感じました。
僕が演じる秋田智彦は動物病院の院長を父に持ち、堅実で現実的な考えを持ちながらも、“犬バカ”な主人公、花井颯太と出会い、動物たちを守ろうと駆け回った過去でも、獣医師となって現実を目の当たりにしている現在でも影響を受けていきます。また当時の犬部の中心メンバーの中にうさぎ好きの方がいたと伺いうさぎに思い入れのある自分との共通点が嬉しかったです。
癒される事は間違いなしですが、綺麗事だけではなく、動物愛護の現実もしっかりと描かれた作品です。公開をお楽しみに!
かつて保護犬を飼っていた学生。颯太を頼って病院を訪れる
川瀬美香役
1999年8月21日生まれ。神奈川県出身。スカウトされて芸能界入り。Seventeenモデルとしても活躍し、2019年3月に卒業。ドラマ・映画・CMと多方面に活躍し、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18/大根仁監督作)、テレビドラマ「ゆるキャン△」シリーズ(20〜)、「リコカツ」(21)に出演。
颯太の病院の看護師。しっかりもので颯太も頭が上がらないことも
深沢さと子役
1976年8月8日生まれ。東京都出身。早稲田大学在学中に演劇を始め、数々の舞台に出演。主な出演に映画『夢売るふたり』(12/西川美和監督作)、『恋人たち』(15/橋口亮輔監督作)、『探偵はBARにいる』シリーズ、ドラマ「深夜食堂」シリーズ、「あまちゃん」など。最新の出演作はNHKドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」。
地元の動物保護ボランティア団体代表。犬部ができた頃からの協力者
中越真利子役
1974年9月29日生まれ。東京都出身。高校より芸能活動を始め、劇団東京乾電池に入団。その後も小劇場を中心に俳優活動を続けながら、『カメラを止めるな!』(18/上田慎一郎監督作)に参加し、主人公の妻・日暮晴美役で大ブレイク。東スポ映画大賞・新人賞を受賞。その後も自身の初主演となる映画『かぞくあわせ』(19/長谷川朋史監督ほか作)、RIZAPのCMなど幅広く活躍中。
大学の研究員となったよしみの後輩
田原優作役
1997年5月24日生まれ。北海道出身。2017年に俳優デビューし、『十二人の死にたい子どもたち』(19/堤幸彦監督作)、『閉鎖病棟-それぞれの朝-』(19/平山秀幸監督)、『犬鳴村』(20/清水崇監督作)、『#ハンド全力』(20/松居大悟監督作)、 『弱虫ペダル』(20/三木康一郎監督作)、『スパイの妻〈劇場版〉』(20/黒沢清監督)に出演。
柴崎が所長を務める動物愛護センターの職員
門脇光子役
1980年5月22日生まれ。福岡県久留米市出身。『がんばっていきまっしょい』(98/磯村一路監督作)で初主演。以降、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。近作の『幼な子われらに生まれ』(17/三島有紀子監督作)では数々の女優賞を受賞。『犬部!』を手掛けた篠原監督作品には『はつ恋』(00)、『山桜』(08)などに出演している。
秋田智彦の父で動物病院院長。獣医師としての動物保護に消極的な立場
秋田秀作役
1958年11月15日生まれ。岐阜県出身。数多くの舞台・映画・ドラマに出演するバイプレイヤーだったが、木村拓哉・二宮和也が共演した『検察側の罪人』(18/原田眞人監督作)で見せた怪演が話題となり、注目を浴びる。近作にドラマ「MIU404」(20)、「リコカツ」(21)、映画『燃えよ剣』(21)など。
元ブリーダー。閉店したペットショップで多頭飼育をしている
久米尚之役
1951年8月27日生まれ。埼玉県出身。映画『ガメラ』シリーズはじめ、特撮からドラマ、映画、舞台に至るまで欠かせない存在である。近作に『リスタートはただいまのあとで』(20/井上竜太監督作)、『お終活~熟春!人生、百年時代の過ごし方~』(21/香月秀之監督作)、『信玄の父 信虎-国主の帰還-』(21/金子修介監督作)など。
大学教授。逃げ出した生体実習犬を颯太に託す
安室源二郎役
1952年3月26日生まれ。劇作家・演出家・俳優として幅広く活躍。『たみおのしあわせ』(08)では監督も務めた。2021年は、本作のほかに『花束みたいな恋をした』(21/土井裕泰監督作)、『ヤクザと家族』(21/藤井道人監督作)、『シン・ウルトラマン』(21/樋口真嗣監督作)などが公開。
監督
1962年2月9日生まれ。東京都出身。助監督や自主制作映画で経験を積み、山崎まさよしが主演した初長編映画『月とキャベツ』(96)で話題を集める。以降、『はつ恋』(00)や『命』(02)、『地下鉄(メトロ)に乗って』(06)、『起終点駅 ターミナル』(15)など話題作を監督。野村萬斎が主演した『花戦さ』(17)では、第41回日本アカデミー賞優秀監督賞に輝く。なお、『月とキャベツ』以降も山崎とはオムニバス映画『Jam Films』(02)、『影踏み』(19)でタッグ。『はつ恋』の主演を務めた田中麗奈とは、本作で4度目のタッグとなった。
犬と猫には、特別な思い入れがあります。自主映画監督時代、当時飼っていた犬の散歩をしながら題材を思いつくことがよくありました。また、1人暮らしを始めた際には猫と暮らしていたんですが、犬は怪我が原因で衰弱死し、猫は心不全で急死してしまったんです。「自分は、2匹をちゃんと看取れたのだろうか」という後悔がずっとあったので、今回のお話をいただいたときに自然と興味を持ちましたね。映画監督として、犬や猫を描いた作品にかわいさや感動を押し付けるものが多いことも気になっていて、そうではない保護犬・保護猫問題や飼い主の責任について射抜くテーマだったことも、大きな理由です。
同時にこの物語は、行き場を失った犬や猫を保護しようと奔走する「犬部」の人々を描いた青春群像劇でもあります。学生だった彼らが社会人になっていく過程で、颯太と柴崎は考え方の相違から葛藤していく。人間ドラマの“障壁”と、本作のテーマをうまく融合できたかと思っています。林遣都くんと中川大志くんは「人物の生き方」にこだわってくれて、本読みのときから撮影に至るまで、リアリティに重きを置いて積極的に提案をしてくれました。動物と人間の共生を目指しアグレッシブに生きる颯太を林くんは冷静に演じていき、颯太の生き方を認めながらも自分のスタンスで動物と向き合う柴崎を中川くんが逆にアグレッシブに演じていたり。俳優として芝居への向き合い方が違うからこそ噛み合っていく様が面白かった。また、今回は犬や猫たちの演技も素晴らしいのですが、彼らから豊かな表情を引き出すトレーナーの方々の瞬時の判断に感銘を受けましたね。奇跡的な画が撮れた瞬間が、何度もありました。
今回の作品を通して、獣医師の方々の努力を目の当たりにし、動物の世界が幸せであるために人が戦う姿の尊さを強く感じました。観客の皆さんにはまずは青春群像劇として楽しんでいただき、そのうえで保護犬・保護猫について知ってもらって、理不尽な思いをしている動物たちが少しでも救われていく未来へと繋がっていけば嬉しいです。
脚本
東京都出身。映像演出家・作家。脚本家。映画『犬に名前をつける日』(15)をはじめ、犬と猫の命をテーマにした映像作品・本を数多く手がける。本作をきっかけに主人公・花井颯太のモデルであり「犬部」を作った獣医師・太田快作を1年間取材し「ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年〜人生を変えた犬〜』(20)を演出した。さらに取材を重ね、「犬は愛情を食べて生きている」(光文社より6月30日発売予定)を執筆。多頭飼育崩壊を描いた「ザ・ノンフィクション犬と猫の向こう側」(18)では第45回日本放送文化基金優秀賞受賞。本作の映画小説版も手がける。
原案
1966年生まれ。東京都出身。ノンフィクション作家として、犬にまつわる著書を多数手がける。2005年には「愛犬王 平岩米吉伝」で第12回小学館ノンフィクション大賞を受賞。2010年に発行された『犬部!』の原案「北里大学獣医学部 犬部!」(ポプラ社)は、2011年に「犬部! ボクらのしっぽ戦記」(小学館)、「ツヅキくんと犬部のこと」(秋田書店)と漫画化もされた。近著に「平成犬バカ編集部」(18)、「着物の国のはてな」(20)など。
映画『犬部!』が完成致しました。沢山の方々に届いてほしい作品でしたので、完成の日を心待ちにしていました。今、率直に嬉しい気持ちでいっぱいです。撮影は昨年夏、物語の舞台でもある青森県十和田市を中心としたオールロケでした。誰もが不安を抱える大変な状況の中、この映画の為ならと、力を貸してくださった現地の方々には感謝してもしきれません。一足先に完成した作品を観させていただいたのですが、本当に沢山の方々の動物に対する思いが集結し、命の大切さを実感させられる今届けるべき映画であることを確信しています。信念を持って何かをやり遂げようと生きる人間の素晴らしさ、命を繋ぐ瞬間を体感し、動物たちが見せてくれる心揺さぶられる表情の数々を、一人でも多くの方に見ていただけたらなと思います。